当科大学院生の感想文
高橋秀侑先生(平成26年 東京大学卒、平成30年度 大学院進学)
私は市中病院での初期研修後、当科および都立駒込病院膠原病科で計3年間の後期研修を行ったのち、卒後6年目で大学院に入学しました。そもそもは不明熱などの診断学的側面に興味を持って総合診療要素の強い当科を選びましたが、実際に従事してみると、診断までの過程にとどまらず、長い間患者さんの人生を一緒に歩ませていただく内科ど真ん中の診療科であると気付き、誇りを持って取り組んで参りました。
後期研修中様々な先輩方の背中を見る中で、病態を考えて診療すること、より具体的に言えば「患者さんの体のどこに何がおきているか?」という素朴な目線で分析し続けることの力を感じました。そして、それを重視して診療しているうちに、自然と基礎免疫学の重要性に意識が向くようになり、大学院への入学を決めました。
大学院1年生の間は病棟研修でしたが、藤尾教授をはじめ、実際に研究で培われた免疫学の知識を臨床に統合している当科先輩方の姿を目の当たりにして、目指すべき臨床免疫家としての像を具体的に確認することができました。
2年生からは研究生活に入っておりますが、臨床教室でありながら、研究に専念できる時間を十分に確保してくれていることのありがたさを感じております。私自身は、これまで患者血液検体から蓄積されてきた当科データベースの知見を基に、実際に肺や筋肉など炎症局所での免疫細胞の振る舞いについて研究しております。研究自体は一筋縄ではいかないとまだまだ感じているところですが、臨床業務の中ではなかなか深めることのできなかった臨床免疫学の理解を、気がつけば自然と身に着けて来られていることに驚き、大学院に入ってよかったと思っております。
以上の通り、当科は臨床も研究も非常に魅力的な診療科です。ここで伝え切れていないこともたくさんあるので、是非一緒に働く中で共有していければと思います。皆様とお会いできることを楽しみにしております。