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専攻医経験者の感想文

及川光久先生(令和2年 東京大学卒、令和4年より東大病院内科専門プログラム)

私は市中病院での初期研修修了後に当科に入局し、東大病院で2年、東京都立駒込病院で1年の専門研修を行いました。
学生時代から「全身を診る医師」になりたいという思いがあり、全身性病態である膠原病に関心を持ちましたが、実際の当科での研修は、当初想像していた以上に「全身を診る」ことを実践する毎日でした。
膠原病とその類縁疾患は全身のあらゆる臓器に影響を及ぼすことがあり、さらに合併症としての感染症、心血管イベント、糖尿病、骨粗鬆症などの予防や治療も重要な課題となります。複雑な病態や多数の合併症をもつ症例を前にして、果たしてこのような患者さんを自力で診ていけるのか、と不安な時期もありました。しかし、この3年間、先生方の丁寧な指導と、年次の近い専攻医との学び合いを通じて、まだまだ道半ばではありますが、目指す医師像に近づいていると感じています。
患者さんの全身を診る上で、私たち膠原病内科医が全体をマネジメントすることはもちろん重要ですが、他科との協力も欠かせません。たとえば肺高血圧については循環器内科、ぶどう膜炎については眼科など、東大病院に結集する各診療科の専門医と連携することで、患者さんに最善の医療を提供しつつ、私自身も多くの知見を学び、医師としての幅を広げることができました。
この3年間の研修で得た大きな学びは、病態を免疫学的に捉えるということです。当科のチャートラウンドでは、最新の標準治療を踏まえつつ、個々の患者さんの病態に関わる細胞・サイトカイン・遺伝子などについて議論し、治療選択につなげています。そのような議論に参加するうちに、気がつけば私自身もこうした視点を身につけ、より深い理解のもとに診療を行えるようになりました。専門研修後は大学院での研究活動を行いますが、全身を診る総合医でありつつ、臨床免疫のエキスパートともなれるよう、努力していきたいと思います。
このように充実した研修でありながら、家庭との両立も十分に可能です。当科には子育て中の医師が多く、私自身も専門研修3年目に第一子が誕生しましたが、業務負担の調整やバックアップ体制など様々な配慮をいただき、家族との時間を大切にしながら無理なく業務や研修を続けることができています。
当科での研修は、良き内科医を目指す方にも、臨床免疫学の専門性を高めたい方にも、自信を持ってお薦めできます。少しでも興味をお持ちの方は、ぜひ一度見学にお越しください。

早川直先生 (令和4年 埼玉医大卒、令和6年より東大病院内科専門プログラム)

私は学生時代に免疫学に関心を持ち、東大病院での初期研修を経て卒後3年目も東大病院アレルギー・リウマチ内科で専攻研修を開始しました。
当科の診療で難しくもとてもやりがいのある特徴は、患者さんの病態・治療への反応性が千差万別な点だと感じています。特異抗体ありきと思われがちな自己免疫疾患ですが、もちろん抗体により特徴的な臨床所見や予想される経過など診断・治療に有用な場面も多い一方で画一的な診療に落とし込むことは難しく、非典型的な経過に悩まされる機会が多々あります。このような時にカンファレンスをはじめとした日常の議論の場で患者さんの病態、免疫学的背景について考察し、文献的な探索を行い診療に生かすことの繰り返しは、臨床免疫学のみならず基礎免疫学、内科学のこれ以上ない学びの機会だと感じました。当院の研修ではスタッフの手厚い指導のもと、幅広い症例を数多く経験することができます。
また、臨床的な疑問や関心について主体的に取り組む際のサポートも手厚く、自身の関心のある分野の診療への参加や学会発表や論文の執筆なども希望に沿って機会が得られます。私は非自己である胎児を寛容している妊娠に関わる免疫に関心があるのですが、学会発表や妊娠サポート外来の見学、他科の先生方と膠原病合併妊娠症例のディスカッションを行うSLEセンター会議の参加など当院ならではの機会を享受しました。ご自身の関心がはっきりされている方も、そうでない方もきっと満足頂ける研修が行えると思いますので、是非一度見学にお越しいただければと思います。

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