当科大学院生の感想文
山田紗依子先生(平成25年 東京大学卒、平成29年度 大学院進学)
私は大学卒業後、市中病院での初期研修2年、同院膠原病科での後期研修2年を経て、大学院に入学させていただきました。
そもそも膠原病に興味を持ったきっかけは、初期研修での膠原病科ローテート中、救急受診された多彩かつ複雑な全身症状の患者さんを、膠原病科の先生が迅速に血管炎と診断し治療開始なさり、患者さんが後遺症なく軽快された経過に、感銘を受けたことでした。そして、後期研修では、実際に、治療抵抗例や診断がなかなかつかない症例を含め、多様な膠原病の診療に携わる中で、膠原病の病態をもっと深く知りたいと思い、母校のアレルギーリウマチ内科大学院に進学しました。
当科の大学院1年目は病棟担当医として病棟業務、2-4年目は研究を行います。病棟診療では、多くの先生方との議論の中で、患者さんごとの病態に則した治療選択が積極的になされているのが特徴的で、私も、少しでも患者さんのためになる治療選択をしたいという熱意を持って勉強をすることができました。また、病棟での臨床経験に基づく英語論文執筆の指導を受けられる環境は、当科大学院の大きな特徴の1つと考え、大変感謝しております。
大学院2年目以降は、研究に専念することができます。私は、関節リウマチの治療抵抗性の予測因子の探索を目的に、治療前末梢血の遺伝子解析を行ってきました。スーパーコンピューターを使った解析を大学院2年目から一から勉強し始め、最初は不安もありましたが、スーパーバイザーの先生から日々懇切丁寧にご指導いただき、また定期的な研究室の先生方との議論の機会もあり、非常に充実した時間を過ごすことができています。臨床で浮かんだ疑問を、基礎研究で解決していくことができる環境に、大きな喜びを感じており、当科の大学院で学ぶことができたことを本当に良かったと思っています。