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Duboi’s LupusをベースにSLE診療を考える勉強会

2019年

2019年11月5日

<Learning Issue>

「SLEにおいて自己抗体自身には病原性があるのか?」

<Dubli’s Lupus記載の要点>

<Learning Issueの回答案>

→「SLEにおいて自己抗体自身は直接的、間接的な病原性を有する」

<関連する質疑>

1. 医師が介入しやすい環境因子として, SLEにおいて禁煙は重要であるか?
→「特に現在の喫煙が、SLEの発症と疾患活動性、臓器障害と関連し、一部の治療薬による効果も減弱させる」

参考文献:

  • Case-control studyによる現在の喫煙または過去の喫煙歴がSLE、discoid lupus発症のリスクとなることを示した論文(Ann Rheum Dis. 1998;57(8):451-455., J Rheumatol. 2001;28(11):2449-2453., Mod Rheumatol. 2006;16(3):143-150., Dermatology. 2005;211(2):118-122.)
  • メタアナリシスによる喫煙とSLE発症リスクとの関連を評価した論文(Arthritis Rheum. 2004;50(3):849-857., Clin Rheumatol. 2013;32(8):1219-22.)
  • 日本からのCase-control studyで、喫煙とCYP1A1とGSTM1の2つの遺伝子多型の組み合わせがSLEの疾患感受性と関連を示唆した論文(Scand J Rheumatol. 2012;41(2):103-109.)
  • 喫煙とSLEの疾患活動性との関連を示唆した論文(Arthritis Care Res (Hoboken). 2013;65(8):1275-1280., PLos ONE. 2015;10(8):e0134451., Arthritis Rheumtol. 2016;68(2):441-448.)
  • 喫煙と自己抗体産生の関係を示唆した論文(Ann Rheum Dis. 2006;65(5):581-584., Ann Rheum Dis. 2015;74(8):1537-1543.)

2. エストロゲンがSLE発症や再燃に寄与するとのことだが, ホルモンが減少する閉経後にSLEの疾患活動性が低下または再燃が少ないということはあるか?
→「閉経後に疾患活動性が低下する報告はあるが、必ずしもホルモンの影響と断定はできず、閉経後に治療強化は保留とするまでの十分なエビデンスは現時点でない」

参考文献:

  • SLEのマウスモデルの卵巣除去による活動性低下の論文(J Exp Med. 1978 Jun 1;147(6):1568-83.)
  • CYにより誘発された早期卵巣不全SLE患者では卵巣機能温存患者と比してSLEの再燃が少ないという論文(Arthritis Rheum. 1999 Jun;42(6):1274-80.)
  • 閉経後のSLEの疾患活動性の変化を示唆した論文(Am J Med. 2001 Oct 15;111(6):464-8., J Rheumatol. 2006 Nov;33(11):2192-8.)

 3. SLEで女性が多いのはなぜか?
→「X染色体の量と関係があるかもしれない」

参考文献:

  • 男性のSLEまたは非SLE患者におけるKleinefelter症候群罹患率の比較をした論文(Arthritis Rheum. 58:2511-2517 2008.)
  • Turner症候群のSLE罹患率の推測となる論文(J Autoimmun. 33:31-34 2009.)
  • XXマウスではXY-マウスと比較し、生存率が低下し、腎病変の程度も重症で、抗dsDNA抗体価が高値であることを示した論文(J Exp Med. 205:1099-1108 2008 18443225)
  • Humanizedマウスを用いた実験で、エストロゲンとX染色体のDosageがTLR7刺激後のpDCからのI型インターフェロン産生亢進の関係を示唆した論文(J Immunol. 193 (11):5444-5452 2014)

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