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当科臨床の理念

1.高い専門力を生かした一人一人に寄り添う診療

 東京大学アレルギー・リウマチ内科では、高い専門知識と豊富な臨床経験を持った医師が、患者さん一人一人にとって最善の医療を提供いたします。リウマチ、膠原病、アレルギーの領域では、近年、生物学的製剤をはじめとした専門性の高い治療が行われるようになり、より多くの患者さんで病状の改善がみられています。当科では生物学的製剤をはじめとした免疫抑制療法について熟知した医師が診療にあたっています。

当科では、ガイドラインに準拠した安全性の高い診療を心がけています。また難治例についても、国内外の知見の集約や専門家間の意見交換等を含め、最善の医療を提供できることを目標としています。当科は2016年よりAPLAR(アジア環太平洋リウマチ学会) Center of Excellenceに認定されています。

 当科では、患者さんと医師が相談の上、診療方針を決めることを重視しています(shared decision makingといい、欧米のガイドラインでも重視されているポイントです)。患者さん一人一人のニーズに寄り添い、患者さんがその人らしく暮らせることを目標とした支援を心がけています。

2.総合内科的なアプローチによる長期予後の確保(“一病息災”)

 医学の進歩により、リウマチ・膠原病の治療はかなり改善され、病気そのものの悪化で命を落とす患者さんは、幸いなことにかなり少なくなってきました。一方で、倦怠感や痛み、それに伴う抑うつ傾向を有する患者さんは多く、また骨粗鬆症に伴う圧迫骨折による生活の質の低下は大きな問題となっています。更に、リウマチ・膠原病の患者さんは心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の危険が高く、また免疫抑制療法の影響により命にかかわるような重篤な感染症も起こりえます。

 当科では総合内科的なアプローチにより、骨粗鬆症、動脈硬化性疾患、主観的な痛みや倦怠感などに対しても、治療またはサポートを行う取り組みを始めています。リウマチ、膠原病の治療を行うとともに、定期的に病院に受診することで、内科診察、採血、検査を通して、重篤な疾患を予防または早期発見できることもあります。このような取り組みの実践には、病診連携によるかかりつけ医との協力体制も重視しています。

3.女性のライフイベントを考慮した取り組み

 病気になったことでライフイベントにも影響があることが知られています。全身性エリテマトーデス等の膠原病は、特に若い女性がかかりやすいとされており、ライフイベントへの影響が避けられません。一方で、医学の進歩により病勢を改善させることが可能となっており、また妊娠中にも使用可能な薬剤を利用することで、妊娠、出産についても前向きに考えることができるようになってきました。当科では、女性の20代から40代のライフイベントを支援できるよう、病気の治療計画を立てています。その窓口として、産科・小児科とも協力し、専門外来(妊娠サポート外来)を開設し、不妊治療、妊娠中・出産後の内科・産科的管理について相談をお受けしています。

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