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疾患解説

薬物アレルギー

総論

定義と概念:

ADR(adverse drug reactions):適切に選択された医薬品の適正量が適切な方法で投与されたにもかかわらずまれに発生する有害な薬物反応をadverse drug reactions (ADR)と呼ぶ。
Rawlins & ThompsonのADRの分類
A型:予測可能な反応
 過量投与による中毒症状
 副作用 (例:NSAIDによる胃潰瘍)
 二次作用 (例:抗生物質使用中の下痢)
 薬剤間相互作用(例:相互作用のある薬剤によるワーファリン作用増強)
B型:予測不可能な反応(体質が影響)
 不耐症 (きわめて少量でも副作用が生じる)
 特異体質反応 (代謝酵素欠損など)
 過敏症
  免疫アレルギー機序を介するもの (例:ペニシリンによるショック)
       〃    介さないもの (例:造影剤によるショック)
B型反応のうちで、免疫・アレルギー反応を主な機序として発生するADRをアレルギー性薬物反応(allergic reactions to drugs)と呼ぶ。アレルギー性薬物反応には、(1)投与例の少数にしか発生しない、(2)同一薬物もしくは、化学構造の類似した薬物が以前に投与されていることが必要である、(3)薬物の再投与後、短時間で症状が発現する、といった共通点がある。そして、薬物アレルギー(drug allergy)とは、アレルギー性薬物反応の中に含まれる反応であり、「薬物の投与を受けた生体で発生する、薬物またはその代謝産物を抗原として、それに対応する抗体或いは感作リンパ球との間で発現した免疫反応」と定義される。

薬物アレルギーの発症機序:古典的にはCoombs & Gellの分類I〜Ⅳ型

薬物アレルギーの症状 :

臓器 主な症状・病名
全身性 アナフィラキシー反応、ショック、全身痙攣、血清病様反応、薬物熱、過敏性血管炎、ループス症候群、アナフィラキシー様反応
皮膚・粘膜 固定薬疹、播種状紅斑型薬疹、蕁麻疹、血管浮腫、多形紅斑型薬疹、Stevens-Johnson症候群、苔癬型薬疹、湿疹型薬疹、天疱瘡型薬疹、接触皮膚炎、光線過敏反応、剥脱性皮膚炎(紅皮症)、中毒性表皮壊死症、hypersensitivity syndrome
血液・造血器 汎血球減少症、白血球減少(顆粒球減少)、血小板減少、溶血性貧血、好酸球増加症、リンパ腫様反応
呼吸器 喘息発作、気管支痙攣、PIE症候群、好酸球性肺炎、急性間質性肺炎、肺線維症、Goodpasture症候群
肝臓 胆汁うっ滞型肝炎、急性肝細胞壊死
その他の臓器 糸球体腎炎、急性間質性腎炎、ネフローゼ症候群、膜性腎症、多発筋炎、重症筋無力症、心筋炎、多発根神経炎、関節炎、後腹膜線維症

診断:
アナフィラキシー→診断と治療を同時におこなう必要あり
心悸亢進、眼前暗黒感、腹痛、尿意、便意といった自覚症状と、皮膚紅潮、蕁麻疹、呼吸困難、頻脈、血圧低下といった身体所見から診断を下し治療を開始。

  • □アドレナリン(0.1%) 0.2~0.5ml筋注(皮下注よりも吸収が早い)
  • □血管確保し、循環不全があれば足部を高くする姿勢をとり大量の輸液と昇圧剤投与
  • □SpO2をモニターしつつ酸素投与、気管支痙攣に対しアミノフィリン投与(不整脈に注意)、全身痙攣には抗痙攣薬を投与
  • □H1 blocker + H2 blocker ヒスタミンのみをブロックするため効果は補助的だが一般に投与される。
  • □副腎皮質ステロイド剤は即効性はないが症状の改善や遷延化阻止に有用である。

アナフィラキシー以外の場面→疑って詳細に問診することがまず診断に必要

□症状発生までに使用した薬物について投与期間、過去の投与歴の確認。特に下記3点は重要。

  • □薬物投与とアレルギー症状発現に合理的な時間的関係があるか
  • □薬物投与中止で症状が改善したか
  • □再投与が行われていたとしたら症状が再出現したか

□FDA方式の診断アルゴリズム(図1)

疑わしいときに診断に用いられる各種検査:

一般的診断法
(Ⅰ〜Ⅳ型共通)
問診、負荷誘発試験
リンパ球刺激試験(lymphocyte stimulation test, LST)
Ⅰ型 皮膚反応(プリックテスト、皮内テスト、Prausnitz-Küstner反応)
粘膜反応
好塩基球脱顆粒試験
ヒスタミン遊離反応
radioallergosorbent test (RAST)
Ⅱ型 貧血:薬物依存性赤血球凝集(溶解)反応、
   薬物依存性抗グロブリン試験(Coombs試験)
血小板減少症:血小板凝集反応、補体結合反応、
   血餅退縮阻止試験、血小板第3因子遊離試験
顆粒球減少症:白血球凝集(溶解)反応、mixed antiglobulin test
Ⅲ型 Arthus型皮膚反応
沈降反応
赤血球・血小板を用いた薬物依存性抗補体抗グロブリンテスト(Coombs試験)
Ⅳ型 遅延型皮膚反応
パッチテスト
マクロファージ遊走阻止試験(macrophage migration inhibition test)

皮膚反応:
即時型(Ⅰ型)アレルギーの検査としては即時型皮膚反応がよく用いられ、信頼性は高い。

プリックテスト 皮内テスト
テスト液皮内注入量 約3nL 20µL
予知しうる反応 主にアナフィラキシー型 アナフィラキシー型
ときにArthus型、遅延型
同一の大きさの膨疹・紅斑型反応を呈するテスト液の濃度比 1000 1
テスト液の濃度 高濃度のテスト液が必要 至適濃度に調整
テストに伴うショック誘発 ほとんどなし まれにあり
陽性判定基準 膨疹径4mm以上
または発赤径15mm以上
膨疹径9mm以上
または発赤径20mm以上
  • □適切な希釈液を用い、しかもまず安全性の高いプリックテストを施行。
  • □アナィラキシーを発症した直後は不応期となり即時型皮膚反応も陰性化しうるので、1週間以上、出来れば2週間は経過してから検査を行う。

その他の検査:
パッチテスト:Ⅳ型反応、特に接触皮膚炎の診断に有用。

リンパ球刺激試験(LST):理論上、いずれの型の薬物アレルギーに対しても行われうるが、感度・特異性は決して高くはない。

  • □LST陰性であるだけでは、当該薬物の関与を否定する根拠とはならない。
  • □薬物によってはメトトレキサートのように非特異的陽性が顕著に多く、陽性となっても有意とは言えないものもある。

上記の方法で原因が確定できずどうしても特定が必要な場合
負荷投与誘発試験:薬物アレルギーの最も確実な診断法。一般に、当該薬物をごく少量再投与しただけでもアレルギー症状が誘発される。

  • □患者本人への必要性と危険性の十分な説明と同意。
  • □誘発されうるアレルギー症状に対して万全の救急準備を行うようにする。
  • □禁忌:Stevens-Johnson症候群や中毒性表皮壊死症などの重症皮膚症状

治療
□原因と考えられる薬物をすべて中止。多くの症例で休薬のみで症状の改善を見るが、その経過自体が薬物アレルギー診断の重要な根拠にもなる。

アナフィラキシーの治療は先に述べた。
Ⅰ型以外の薬物アレルギーの治療

  • □掻痒に抗ヒスタミン剤、症状が強い場合には副腎皮質ステロイド剤。
  • □多形浸出性紅斑型の薬疹については、重症化(Stevens-Johnson症候群や中毒性表皮壊死への進展)を見逃さない。専門医(皮膚科)へ直ちにコンサルトする。

予後
症状が後遺症なく軽快すれば、以後も原因薬剤回避を続ける限り症状再発はなく予後はよい。原因薬剤が未確定であると、薬剤アレルギーの診断自体が曖昧となり、以後の投薬加療に不安がつきまとう。従って、原因薬剤確定は重要である。

予防的治療
脱感作療法:代替薬がなく、当該薬剤の使用が必須な場合には、少量の投与から開始して徐々に増量する脱感作療法が行われる。たとえば、インスリンや、抗結核薬の中心となるリファンピシン、ニューモシスティス肺炎治療に使われるST合剤では時に脱感作療法が行われる。

プレメジ:ヨード造影剤により副作用が出現する例で使用が必要な場合には、副腎皮質ステロイド剤と抗ヒスタミン剤を前投与しておくことで副作用の発現を高率で予防できると言われている。

各論

1.抗菌薬アレルギー

ペニシリン系

  • □アレルギー性薬物反応とアナフィラキシーに関し最も頻度が高い薬物の一つ
  • □有病率は約2%:投与例の0.01〜0.05%にアナフィラキシー
  • □即時型アレルギーのリスクの予測:即時型皮膚反応の信頼性が高い

セフェム系 

  • □ペニシリン同様β-ラクタム環構造を持ち、ペニシリンアレルギーの既往でセファロスポリンに対するアレルギー反応のリスクが増加
  • □独自の側鎖の抗原決定基に対しアレルギー反応を起こすこともある
  • □皮膚反応の臨床的意義:ペニシリンと比較するとエビデンスは不十分

β-ラクタム系以外の抗菌薬

  • □過敏症の頻度は約1-3%;アナフィラキシー反応はかなり稀(機序としてIgE依存性アナフィラキシー、IgE非依存性アナフィラキシー様反応の両方が考えられる薬剤が多い)
  • □皮膚反応の有用性は確立していない

抗菌薬使用時アナフィラキシーショック発現予防のため行わなければならないこと

  • □患者の薬物投与歴およびアレルギー歴に関する問診を十分に行う
  • □抗菌薬に関連するアレルギー歴がある患者の場合

  1)ショックの既往あり
   当該薬の投与は禁忌
   類似抗菌薬の投与は原則禁忌:β-ラクタム系でも系統が異なる場合は皮膚反応陰性確認後の慎重投与は許容
  2)ショック以外の過敏症の既往あり
   当該薬の投与は原則禁忌:皮膚反応後の慎重投与は許容
   類似薬については慎重投与

日本化学療法学会提言:抗菌薬投与に関連するアナフィラキシー対策のガイドライン(2004年版)

2.局所麻酔薬
局所麻酔薬はエステル型とアミド型の2グループに分けられる。

  • □本当のアレルギー反応は極めて少ないと言われる。(一部には局所麻酔剤自体や保存剤のパラベンに対するIgE抗体の関与する例が認められている。)
  • □多くの症例で過量投与、迷走神経反射、過換気症候群、不安発作などであることが多い。
  • □局所麻酔薬の多くは血管収縮薬としてアドレナリンを含んでいる。アドレナリンは振戦、動悸、頻脈、発汗、めまい、失神様発作のような交感神経作用を起こすことがある。

病歴上、局所麻酔薬に対する過敏症状ではないことが明らかであれば、敢えて検査を行わなくても良いが、もし念のため安全確認が必要であれば(表1)のような検査・チャレンジテストが行われる。

3造影剤(Radio contrast media(RCM))

  • □RCMの初回の投与、また再投与の際に起こる反応を予知するためのいかなる皮膚テスト、試験管内試験もない。
  • □RCMの予備注入テストはそれのみでアナフィラキシー様反応が惹起されたり、テスト陰性でも本検査で症状が発現することがあるので、現在はルーチンの予備テストは行わない。
  • □過去に造影剤の副作用歴のある症例は再投与に際し副作用を生ずるリスクが高いが、必要な場合は、非イオン性造影剤の使用と、予防薬の投与(表2)によりリスクを減少することができる。

4.ST合剤
最も多い形は汎発性丘疹、蕁麻疹、多型滲出性紅斑などの症状。SJS, TENのかたちをとることもある。薬剤熱や血液障害も時々みられうる。

  • □皮膚テスト、in vitroテストは有効性が低いと考えられている。
  • □通常の脱感作(表3)、および急速法などが提案されている。

5. アスピリン、NSAIDs
アスピリンやNSAIDsに対する過敏症状は5つの病型に分けられる。

病型 反応 基礎疾患 他のNSAIDsとの
交差過敏性
初回使用
での誘発
 鼻炎と喘息  喘息,鼻茸,副鼻腔炎
 蕁麻疹(血管浮腫)  慢性蕁麻疹
 蕁麻疹、血管浮腫  なし
 蕁麻疹、血管浮腫  なし
 アナフィラキシー  なし

この中でI~ⅢをNSAIDs不耐症(特にIがアスピリン喘息)、Ⅳ、VをNSAIDs アレルギーと呼ぶ。
アスピリン過敏症の特徴

  • □皮膚テストは診断に役に立たず、信頼できるin vitro検査もなく、唯一の確実な診断は経口負荷テスト
  • □アスピリン過敏症は一度獲得すると一生継続する:厳重に回避が原則

アナフィラキシー
*メカニズム:不明。通常アスピリンもしくはある特定のNSAIDsのみに反応すること、また2回もしくはそれ以上の投与後に生ずる点などはIgEの関与を示唆するが、薬物特異的IgE抗体は検出されていない
*IgEを介さないアナフィラキシー様反応と考えられている

  • □通常、原因NSAIDsの回避で対処。脱感作は適応にならないとされる

アスピリン喘息
*メカニズム:アラキドン酸カスケードのシクロオキシゲナーゼ阻害による5-リポキシゲナーゼの代謝産物(ロイコトリエンなど)の産生過剰によるもの?尿中LTE4は有意に上昇
*アセトアミノフェンなどはシクロオキシゲナーゼ阻害作用が弱いため通常は服薬可能:但し一重盲検試験では1000mg以上の投与で34%が呼吸器症状、22%は軽度の気管支れん縮をおこしたとされる
→アセトアミノフェンにも用量依存的なリスクはある と考えられる

  • □どうしても投与が必要な場合:慎重な負荷試験→陽性なら脱感作(表4)を検討
  • ステロイド注射剤への反応
    コハク酸エステル製剤への過敏:ソルコーテフ、ソルメドロール、サクシゾン、水溶性プレドニン
  • □パラベンへの過敏:ソルコーテフ、ハイドロコートン、デカドロン
  • □パラベンを含有しないコハク酸エステル以外のステロイド:リンデロン、コーデルゾール、リメタゾン(安全性は高いが、それでも静注は避けて点滴静注とする方が良い)

皮膚過敏症
*慢性蕁麻疹(21~30%)、血管性浮腫の症例でアスピリン、NSAIDsの投与で症状が増悪することあり
*それとは別に急性の蕁麻疹、血管浮腫を起こすことがある:24時間後くらいに遅れて発現することあり
*機序は不明

  • □脱感作による慢性蕁麻疹、血管浮腫の改善は認められない

*5-リポキシゲナーゼ阻害薬(zileuton):アスピリン喘息改善やアスピリンによる血管浮腫を予防するという報告あり

最後に皮膚テスト(表5)、チャレンジテスト(表6)の代表的なプロトコールをあげておく。

(図1)

(表1)
局所麻酔注射薬の安全確認
 1)局麻薬原液を用いたプリックテスト
 2)100倍希釈液を用いた皮内テスト
 3)原液 0.1 ml 皮下投与
 4)原液 1 ml 皮下投与

(表2)リスクがある場合のRCMのプレメジ
13時間前 predonine 50 mg (or hydrocortisone 200mg)
7時間前 predonine 50 mg (or hydrocortisone 200mg)
1時間前 predonine 50 mg (or hydrocortisone 200mg)
    diphenhydramine 50 mg
    ephedrine 25mg(禁忌がない場合)         
                          from JAMA.  278(22), 1997
但し、このような前投薬を併用しても副作用が出現するリスクはあり、
造影の適応を慎重に検討の上、注意深く使用する必要がある

(表3)
ST合剤脱感作プロトコールの例

Trimethoprim/Sulfamethoxazole
1 0.4 mg/ 2 mg
2 0.8 mg/ 4 mg
3 1.6 mg/ 8 mg
4 3.2 mg/ 16 mg
5 8 mg/ 40 mg
6 16 mg/ 80 mg
7 32 mg/ 160 mg
8 64 mg/ 320 mg
9 80 mg/ 400 mg
10 160 mg/ 800 mg

10日間かけて通常投与量に至る標準的なプロトコール。
ただし、水疱性皮膚症状、再生不良性貧血を起こした患者には脱感作は禁忌

 

(表4)

アスピリン脱感作  day1 day2 day3 day4
AM8  3 12 45 150mg
PM0  6 20 60 200
PM4  12 30 100 325

FEV1.0が25%低下した時点で、気管支収縮に対する治療を行い、気管支収縮が見られなくなるまで同量を3~24時間毎に投与 (Szczeklik A, JACI 1999)
*急速減感作療法がアスピリン誘発性蕁麻疹、血管浮腫に安全かつ有効とする報告もある (Wong JT JACI, 2000)

(表5)
当院で用いているI型アレルギーに対する皮膚テストプロトコールの一例(明瞭なアナフィラキシー例に適応)

アレルギーの可能性が低いと思われる症例には適宜簡略化して用いる。

入院後の検査として一般検査(HBV, HCV, STS, 血算、凝固系、一般生化、IgE、胸部X線、)と、呼吸機能(肺活量、Flow volume、肺気量分画、拡散能)、動脈血液ガス検査を施行

アレルギー症状が出現した場合に備えて予め用意すべきもの
ボスミン 1A
クロールトリメトン 1A(10 mg)
サクシゾン 1A(300 mg)
ラクテック 500 ml
SpO2 モニター
酸素
救急セット、アンビュー、挿管用具を確認し、救急カートを近くに置く
*院内の救急部にもあらかじめ、患者の背景やテスト内容、危険性を連絡しておく
  (特にチャレンジテストを行う場合は必須!)

検査当日朝に、皮内反応溶液(原液)を生食で10、100、1000、1万、10万、100万倍に希釈したものも用意する。Negative controlには生食を用いる。

20G留置針とラクテック500 mlで血管確保。心電図モニターをつける。
各処置の度にVital signをチェックする(血圧、脈拍、SpO2)。
1. 原液の100万倍希釈液と生食のプリックテスト。15分間観察。陰性なら次へ進む。
2. 原液の10万倍希釈液のプリックテスト。15分間観察。陰性なら次へ進む。
3. 原液の1万倍希釈液のプリックテスト。15分間観察。陰性なら次へ進む。
4. 原液の1000倍希釈液のプリックテスト。15分間観察。陰性なら次へ進む。
5. 原液の100倍希釈液のプリックテスト。15分間観察。陰性なら次へ進む。
6. 原液の10倍希釈液のプリックテスト。15分間観察。陰性なら次へ進む。
7. 原液のプリックテスト。15分間観察。陰性なら次へ進む。
8. 原液の1万倍希釈液と生食の皮内反応。15分間観察。陰性なら次へ進む。
9. 原液の1000倍希釈液の皮内反応。15分間観察。陰性なら次へ進む。
10. 原液の100倍希釈液の皮内反応。15分間観察。陰性なら次へ進む。
11. 原液の10倍希釈液の皮内反応。15分間観察。陰性なら次へ進む。
12. 原液の皮内反応。15分間観察。陰性なら皮膚テスト終了。

原液濃度の設定は過去の報告などを確認して設定する。
終了の2時間後も症状、vital不変なら、留置針を抜去。
陽性反応が生じた場合、健常対象者に同濃度の検査を行い、非特異反応でないか確認する。
低濃度のプリックテストで陽性を示した場合は、皮内反応に切り替える。皮内反応の最初の濃度は、一つ手前のプリックテスト濃度(陰性の最高濃度)を1万倍に希釈したものとし、10倍毎に濃度を上げていく。皮内テスト陽性閾値濃度を確認したら、検査終了。

(表6)
即時型薬物アレルギー 内服チャレンジ
プロトコールの例(安全性が高いと思われる薬剤でのプロトコール)

*アナフィラキシー(様)反応の原因と考えられる薬剤そのものを使ってチャレンジテストを行うことは極めてまれであるが、その場合は航空粘膜反応および内服の開始量を格段に少なく設定する。

緊急時に対応できる体制の下で施行する。留置針で血管確保。

通常1回使用量と、1/10量の散薬1包、1/100量の散薬2包を用意。

1. 口腔粘膜反応:1/100量の散薬のうちごく少量を舌下投与
2. 内服チャレンジ:1/100、1/10,1回量を順に。
 各段階で20~30分間経過観察する
 1回量内服後、30〜60分間経過観察する

各処置の度にvital signをチェック

平成 30年 5月

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