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UT膠原病クラブ

UT(University of Tokyo)膠原病クラブでは、膠原病診療に関するTipsや当科の研究活動からわかってきた膠原病に関するTopicsなどの情報を紹介していきます。また当科カンファランスで行っているJournal Clubで取り上げた論文の紹介なども行います。

2018年

東大アレルギーリウマチ内科カンファランスで開催されたJournal Clubで取り上げた論文の紹介です。

2018年10月30日

Van Vollenhoven RF, et al. Efficacy and safety of ustekinumab, an IL-12 and IL-23 inhibitor, in patients with active systemic lupus erythematosus: results of a multicenter, double-blind phase 2, randomized, controlled study.
Lancet. 2018. 392:1330-1339.

P: 活動性のあるSLE
I: ustekinumab s.c. (体重別初期量(290〜520mg)のあと、8週ごと90mg)
C: プラセボ
O: 24週後のSRI-4達成率

24週でのSRI-4達成率はUstekinumab群 62%, プラセボ群33%と有意に改善していた。関節炎、皮疹、再燃率(BILAG flare)も、ustekinumab群で有意に改善していた。マイクロアレイデータから計算されたIFN scoreにより、IFN-high群、low群に群分けした解析では、IFN-low ustekinumab群でのSRI-4達成率は81.8%であり、ustekinumabはIFN low群でより有効である可能性があった。

ひとこと:SLEの病態に関与しているとされるTfh-Th1 like cellの分化にはIL-12を介したSTAT1, STAT4の活性化が関与しているとの報告があります(Ma X , Nakayamada S et al. ARD 2018. 77:1354)。

Watanabe H, et al. Association between reappearance of myeloperoxidase-antineutrophil cytoplasmic antibody and relapse in antineutrophil cytoplasmic antibody-associated vasculitis.
Arthritis Rheum. 2018. 70:1626-1633.

MPO-ANCA陽性例で治療開始半年以内に寛解を達成した271症例(MPA 183, GPA 34, EGPA 15)を対象としたコホート研究。MPO-ANCAを経時的に2年間測定し、再燃例(case)と寛解維持例(control)を比較した。
 72%の症例で6ヶ月以内にMPO-ANCAは陰性化し、うち40%で再度陽転化(“reappearance”)がみられた。”reappearance”は、再燃例で有意に高く、再燃のリスクが高い群と考えられた(76% vs 12%, OR 26.2)。
ひとこと:ANCA titerの陽性残存や再上昇の臨床的な意義については、意見がわかれている点です。Meta analysis(Tomasson G, et al. Rheumatology. 2012. 51:100)の結果ではANCA陽性残存や上昇は、将来的な再燃の”moderate predictive value”(陽性尤度比 2前後)があるとされています。

2018年9月25日

Md Yusof MY, et al. Prediction of autoimmune connective tissue disease in an at-risk cohort: prognostic value of a novel two-score system for interferon status.
Ann Rheum Dis. 2018. 77:1432

At risk to autoimmune(AI)-CTD(ANA陽性、SLE 分類基準1項目以下、症状12ヶ月以内、無治療)の118症例で、血液・皮膚生検検体のIFN scoreを測定し、12か月後の予後予測を行った。
 16%(19例/118)でAI-CTD発症(SLE 14, SS 5)した。AI-CTDを発症した患者のベースラインでのIFN scoreは、発症しなかった症例と比較して、IFN score A 2.94(fold increase 1.14-7.54), IFN score B 3.22(fold increase1.74-5.95)と上昇がみられた。皮膚ではIFN score Aのほうが高値であった。多変量解析ではIFN score Bのオッズ比は 3.79(1.50-9.58)であった。また膠原病家族歴はオッズ比8.2であった。IFN score Aは有意なリスクとして残らなかった。

*El-Shebiniy YM, et al. Sci Rep. 2018. 8:5793
31のISGを以下に分類してスコアリング
IFN score A:”SLE”をRA, HCから分ける遺伝子、主にIFN-I (IFN-α, IFN-β, IFN-κ, IFN-ω)に反応する。
IFN score B:”SLEとRA”をHCからわける遺伝子、IFN-I 、IFN-II (IFN-γ), IFN-III (IFN-λ) すべてで反応する。

ひとこと:IFN score Bのみ、多変量解析でAI-CTD予測のリスクとして残ってきました。フォローアップ期間の影響もあると思いますが、IFN-IだけでなくIFN-II, IFN-IIIを含めた幅広いIFN responsesが膠原病発症に重要なのかもしれません。Jak-iの早期導入でこの過程に介入できるかが興味深いと思います。

2018年9月7日

Emmi G, et al. Adalimumab-based treatment versus disease-modified antirheumatic drugs for venous thrombosis in Behcet’s syndrome
Arthritis Rheumatol. 2018. 70:1500-1507.

70例の静脈血栓症(DVT, SVT)をきたしたBS症例をretrospectiveに検証。ADA n=35, DMARDs(MTX, CyA等) n=35で、vascular response達成率 ADA群 97.1%, DMARDs 65.7%と有意にADA群で高く、また最終確認時のPSL減量についてもADA群 23.1±13.1mg→3.6±3.4mg、DMARDs群 26.2±20.2mg→8.3±3.7mgと、ADA群で有意にPSLが減量されていた。
抗凝固薬の併用は結果に影響しなかった。

ひとこと:BSに伴う脳静脈洞血栓など致命的な部位の静脈炎は患者選択の段階で9例除外されています。既報(Desbois AC, et al. A&R. 2012. 64:2753.)によれば、BS静脈血栓症の死亡率はフォローアップ期間中央値4.75年で6.4%と高く、ADAの積極的な併用が必要な病態と考えられます。

2018年8月28日

Doria A, et al. Efficacy and safety of subcutaneous Belimumab in anti-double stranded DNA-positive, hypocomplementemic patients with systemic lupus erythematosus.(BEL112341)
Arthritis Rheumatol.2018.70(8):1256-1264.

P: 血清dsDNA抗体>30 U/mL, 補体価低値(C3<90mg/mL, C4<10 mg/dL)、SELENA-SLEDAI 8以上のSLE
I: Belimumab 200mg sc/week
C: Placebo
O: 52週時点でのSRI4 response rate

836症例を2:1でbelimumab/placeboに割り付け、SRI-4 responderは belimumab群で64.4%, placebo 47.2%(p=0.0014)とbelimumab群で有意に高かった。Secondary endopointの重篤な再燃(SELENA-SLEDAI flare index)はbelimumab群 14.1%, placebo 31.5%と差があり、ステロイド減量(25%以上または7.5mg/day以下)もbelimumab群20.7%、placebo 11.4%(p=0.0844)と有意な差を認めた。
belimumab投与で補体価は上昇がみられたとのことですが、抗dsDNA抗体価の低下はみられなかった。
 蛋白尿については、ベースラインで0.5g/day以上の蛋白尿を有した症例が、52週の段階でbelimumab投与群 54.5%, placebo 25.0%で0.5g/day以下に改善した。

ひとこと:活動性のある腎炎、NPSLEは除外された研究です。BLISS IVの研究で低補体、抗dsDNA抗体陽性がhigh responderとして挙がったことをうけて、対象を絞って研究しています(Van Vollenhoven RF. ARD 2012;71:1343)。臓器障害は軽いものの低補体のためにステロイドを減らしきれないような症例がbelimumabはよい適応かと思います

2018年8月6日

Liu Z, et al. The prognosis of pulmonary arterial hypertension associated with primary Sjogren’s syndrome: a cohort study.
Lupus. 2018. 27: 1072-80.

pSS-PAH症例29例の中国からの報告。SS発症年齢34.4 ± 11.1歳、PAH発症年齢 40.6 ± 9.0歳であり、1,3,5年生存率は80.2%, 74.8%, 67.4%であった。生存例と非生存例を比較したところ、年齢、罹病期間、血行動態に有意差を認めた。死亡リスクとしては、pSS発症からPAH発症までの期間(HR 1.102), cardiac index < 2 L/min/m2(HR 5.497)であり、免疫抑制剤の使用は死亡リスクを下げる結果であった(HR 0.110)。

ひとこと:免疫抑制剤使用が生存を改善させているデータであり、pSS-PAHはSLE-PAHに近い肺動脈炎などの免疫学的な機序で生じている可能性が示唆されますが、生命予後はSLE>pSS>>SScと議論されていますので、IVCYなどの免疫抑制療法の積極的な使用を考えてよいと思います。

2018年7月25日

Lewis MJ, et al. Autoantibodies targeting TLR and SMAD pathway define new subgroups in systemic lupus erythematosus.
J Autoimmun. 2018. 91; 1-12.

protein microarray(1543種類のヒト蛋白を含む)により、SLE 186例の血清を用いて新規自己抗原の検索を行ったところ、68種類の新規自己抗原が同定された。検出される自己抗体のパターンによりクラスター解析を行ったところ、SLE患者は4群に分類され、臨床病型との相関がみられた。
Cluster 1a La, TROVE2(Ro60)など、ANA高値、dsDNA低値、Raynaud, 肺病変、血小板減少と関連
Cluster 1b HMGB2, APOBEC2B1, IGF2BP3など、腎病変と関連
Cluster 2 LYN, MKNK2, RPL10など dsDNA高値、関節炎と関連
Cluster 3 VAV1, CLK1など ANA, dsDNA低値

ひとこと:表題のとおり、機能的に免疫に関連する蛋白が自己抗原として同定されています。SLEでも筋炎のように抗体プロファイルでサブタイプに分かれると興味深いですが、Cluster 1bがANA, dsDNAもそれほど高値でないにもかかわらず腎病変と関連するなど、臨床の実感とは異なる印象もあります。

2018年7月20日 番外編

Lopez-Oliva I, et al. Dysbiotic subgingival microbial communities in periodontally healthy patients with rheumatoid arthritis.
Arthritis Rheumatol. 2018. 70(7): 1008-1013.

歯周炎のないRA患者22人, 健常人19人の歯周組織の細菌叢を16S ribosomal DNAをMiSeqによりシークエンスして解析した。従来、RAと関連していることが示唆されていたPorphyromonas gingivalis, Aggregatibacter actinomycetemcomitansは、優位には検出されずまた2群間での差も見られなかった。一方、Cryptobacterium curtumはRA患者で特徴的に検出された。C. curtumはシトルリンを産生できるグラム陽性嫌気性桿菌で、RA病態との関連が示唆された。また、PICRUSt(Nat Biotechnol. 2013)により、メタゲノム予測を行ったところ、アラキドン代謝と脂質代謝に関連するpathwayがRA患者では強調された。

ひとこと:歯周炎とRAの疫学的な関連は報告(Chen HH, et al. ARD 2013など)がありますが、臨床的な歯周炎がなくてもRAでは歯周のMicrobiotaに特徴があることがわかりました。FDRなどのハイリスク群における研究結果が待たれると思います。

2018年6月26日

Genovese MC, et al. Safety and efficacy of upadacitinib in patients with active rheumatoid arthritis refractory to biologics disease-modifying anti-rheumatic drugs (SELECT-BEYOND): a double^blind, randomized controlled phase 3 trial.
Lancet. 2018. 23-29, June. 391:2513-2524.
DOI:10.1016/S0140-6736(18)31116-4

P: 生物学的製剤抵抗性のRA患者(csDMARD併用)
I: Upadacitinib(UPA) 15mg, 30mgを12週間 or 24週間 連日内服
C: Placebo
O: 12週時点でのACR20, DAS28-CRP<3.2達成率

12週におけるACR20はplacebo群28%, UPA 15mg群65%, 30mg群56%であった。DAS28-CRP<3.2達成率はPlacebo群14%, UPA 15mg群43%, UPA 30mg群42%であった。

ひとこと:Jak阻害薬のbDMARDs failureを対象とした同様の研究にORAL-STEP study(tofacitinib), RA-BEACON study(baricitinib)があり、bDMARDs無効例でもJak阻害薬の十分な有効性が明らかとなっています。本研究では開始後1wでのHAQやGAが測定されており、即効性についても報告されています。一方で、baricitinibと同様に静脈血栓、肺塞栓の有害事象報告があり、より大規模な研究が必要かもしれません。なお、Asian backgroundは、ほぼ含まれていない研究です。

2018年6月22日 番外編

Demoruelle MK, et al. Antibody responses to citrullinated and noncitrullinated antigens in the sputum of subjects with rheumatoid arthritis and subjects at risk for development of rheumatoid arthritis. Arthritis Rheumatol. 2018. Apr. 70(4):516-527. DOI: 10.1002/art.40401

RA(n=20), RA at risk subjects (FDR, 抗CCP抗体陽性)(n=41), 健常人から血清、喀痰を採取し、ACPAs、neutrophil extracellular traps (NETs)量を測定した。RA at-risk群では喀痰中に抗シトルリン化フィビリノーゲン(79%)、ビメンチン(75%)、ヒストン2B(42%)抗体等が検出され、RA患者とは頻度が異なっていた(それぞれ60%, 100%, 75%)。ACPA抗体価とNET(DNA-MPO complex)量には有意な相関がみられた。

ひとこと:ACPAが最初は関節外(肺)で産生されるという仮説の根拠として、喫煙者BAL中のシトルリン化抗原の存在、喫煙とACPA陽性RAとの疫学的関連や、RA患者およびRA at-risk subjectsでの喀痰内の抗CCP抗体の存在が先行研究として存在しています。また、Khandpur R et al.の報告(Sci Transl Med. 2013)では、NET中にシトルリン化ビメンチンが存在するとされ、また抗シトルリン化ビメンチン抗体により、NETosisが誘導されるpositive feedbackがあるとされています。

2018年6月11日

Indraratna PL, Virk S, Gurram D, Day RO. Use of colchicine in pregnancy: a systematic review and meta-analysis. Rheumatology (Oxford). 2018 Feb 1;57(2):382-387. DOI:10.1093/rheumatology/kex353.

妊娠中のコルヒチン使用に関するメタアナリシス。4本の研究が採用され、FMF, Behcet病が含まれていた。流産率はコルヒチン内服で低下し、胎児奇形率は変わらなかった。FMF患者内での比較ではコルヒチン内服・非内服と比較して出生体重、胎生週は有意差を認めなかった。

ひとこと:FMFによる腹膜炎が流産と関連しているといわれており、コルヒチンによる妊娠期の発作抑制は、妊娠継続に優位に働くと考えられます(Yasar O, et al. J matern Fetal Neonatal Med. 2014. 27:733-6のretrospective 46例も参照)。コルヒチン無効のFMFも存在しますが、FMFの妊娠については、Anakinraも有効である可能性があるようです(Ilgen U, et al. Eur J Rheumatol. 2017. 4:66-67)。

2018年5月14日

Charles P, et al. Comparison of individually tailored versus fixed-schedule rituximab regimen to maintain ANCA-associated vasculitis remission: result of a multicenter, randomised controlled, phase III trial (MAINRITSAN2). Ann Rheum Dis. 2018. On line ahead. doi: 10.1136/annrheumdis-2017-212878

P: 寛解導入でCRとなった新規発症のGPA, MPA
I: Tailored protocol(RTX 500mg 1回、以後3か月ごとにANCA陽性または末梢血CD19陽性細胞検出でRTX 500mg)
C: Fixed protocol, RTX 500mg 2回+6か月ごと3回
O: 28週までの再燃数、BVAS悪化
各群81例、再燃はFixed 9.9%, tailored 17.3%(p=0.22)で有意差なし。RTX投与回数はtailored median 3回とFixed 5回より少なかった。

ひとこと:MAINRITSAN1と同様に対象患者はGPA約7割、PR3ANCA陽性例が約5割となっています。末梢血CD19+B細胞の有無は再燃には関連がないようですが、naïve/memoryの分画は不明です。MGでも類似のtailored-protocolが試されていますが、CD27+memory B cellはMG再燃と相関があり、CD27+memory B cellの有無でRTX投与を決定しています(Lebrun C, et al. J Neuroimmunol. 2016)。

2018年5月7日

Saag KG, et al. Denosumab versus risedronate in glucocorticoid-induced osteoporosis: a multicenter, randomized, double-blind, active-controlled, double-dummy, non-inferiority study. Lancet Diabetes Endocrinol. 2018. On line first. DOI: https://doi.org/10.1016/S2213-8587(18)30075-5

P:PSL>7.5mg/day, 3か月以上(glucocorticoid continuing)またはPSL>7.5mg開始群(glucocorticoid initiating)
50歳未満は脆弱性骨折既往あり
50歳以上はT score -2以下、または骨折あり+T score -1以下
I:Denosumab 6か月ごと
C:レセドロネート5mg/day
O:12か月後の腰椎骨量の非劣勢
Denosumab群でlumbar spine, total hip, femoral neckの骨量はリセドロネート群と比較して優位に上昇がみられた

ひとこと:過去のRCT(Mok CC, et al.Bone. 2015. 75:222-228)でもステロイド使用者でビス剤からDenosumabへスイッチした際の骨量増加のエビデンスはあります。かなり骨折のリスクの高い群を対象としていますが、骨折予防をエンドポイントとした研究が待たれます。

2018年4月9日

Serris A, et al. Efficacy and safety of rituximab for systemic lupus erythematosus-associated immune cytopenias: A multicenter retrospective cohort study of 71 adults. Am J Hematol. 2018. 93:424-429.

SLEに合併した自己免疫性の貧血・血小板減少に対してのRTXの有効性を検証したフランス(autoimmunity and rituximab registry: AIR)の他施設コホート・後ろ向き研究。71例のうち、ITP 44例、AIHA 16例、Evans症候群10例、PRCA 1例。RTX有効性は86%, うち60.5%が完全寛解。61例の初回反応群について再燃は24例(39.3%)で、再投与で88.8%が改善を認めた。重篤な有害事象として3例で感染症を認めたが、死亡例はいかなった。

ひとこと:SLEに対するRTX使用についてはRCT (LUNAR, EXPLORER)の結果は不十分でしたが、試験デザインの問題点も指摘されています。2010年の同じグループ(French AIR)からの報告でも腎病変、血球減少等へのRTXの有効性が報告されており、症例の選択とRTXの用法を工夫することで、SLEの難治性病態の制御にRTXは有効な可能性が高いです。

2018年4月2日

Moulis G, et al. Efficacy and safety of biologics in relapsing polychondritis: a French national multicenter study. Ann Rheum Dis. 2018. On line first. DOI: 10.1136/annrheumdis-2017-212705

フランスの患者研究。RPCにBiologicsを使用した症例の転帰についてのレトロスペクティブ研究。41例のBiologics使用があり、6か月の有効性(response rate)は62.9%, 完全寛解率19%であった。Bio中止は73.3%と多く、感染症20.9%、1次無効34.3%、2次無効18.1%が原因であった。有効性に関する単変量解析ではMDS併存は有効性が低いリスクであり、鼻・耳介・胸骨軟骨炎、DMARDの併用は有効性を高める可能性があった(有意差なし)。

ひとこと:Bioによる完全寛解率は低く、継続率も十分ではありませんでした。TNF阻害薬のなかでは抗体製剤(IFX, ADA)に比べてETNの継続率が低く、IFX, ADAを選択するほうがよさそうです。TCZについては、感染症による中止率が高いですが、有効性は高い可能性があります。

2018年3月19日

Grayson PC, et al. 18F-Fluorodeoxyglucose-positron emission tomography as an imaging biomarker in a prospective, longitudal cohort of patients with large vessel vasculitis.
Arthritis Rhuematol. 2018. March.vol 70(3): 439-449, DOI: 10.1002/art.40379

大動脈炎(GCA 30, TAK 26)において、FDG-PETの有用性を検討するための前向きコホート研究。LVVのうち、67.7%がPETで異常所見ありと判定された。PETVAS>20をcut offとした場合、LVV活動性についての感度68%, 特異度71%であった。また臨床的に寛解にある患者のうち、PETVAS>20の群で再発率55%(PETVAS<20, 11%)と高かったため、寛解時の再発予測に役立つ指標となる可能性がある。

ひとこと:GCAのGWASとしては、HLA-DR, DQ, PTPN22, IL-17Aなどが知られていますが、最近plasminogen(PLG), P4HA2が新たに報告されています(Carmona FD. Am J Hum Genet. 2017, 100:64-74.)。血管のリモデリングや血管新生に関わる遺伝子であり、CRPでフォローしきれない血管局所の病態があるのかもしれません。

2018年3月12日

Nakaoka Y, et al. Efficacy and safety of tocilizumab in patients with refractory Takayasu arteritis: results from a randomized, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial in Japan (the TAKI study) Ann Rheum Dis. 2018. 77:348-354.

P: 高安動脈炎再燃例、PSL 0.2mg/kg以下
I/C: PSLを初期量の最低2倍以上に増量し、一旦寛解導入、1週間以上経過後にランダムにTCZ 162mg sc群, プラセボ群に割り付け。4週間後よりPSL減量(10%/week)
O: 再燃までの期間

各群18例ずつ割り付け、 per-protocolの結果でプラセボと比較して有意にTCZ群で再燃までの期間が長かった(HR 0.34, p=0.0345)。

ひとこと:定義にもよりますが本プロトコールではTCZ投与群でも再燃率が40〜60%と報告されており、実臨床における高安動脈炎に対するTCZの使用については更なるエビデンスが必要です。初発例にステロイドなしでTCZ 8mg/kg iv x 6mのTOCITAKA study(France)がon goingとなっています。

2018年2月26日

Grayson PC, et al. 18F-Fluorodeoxyglucose-positron emission tomography as an imaging biomarker in a prospective, longitudal cohort of patients with large vessel vasculitis.
Arthritis Rhuematol. 2018. March.vol 70(3): 439-449, DOI: 10.1002/art.40379

大動脈炎(GCA 30, TAK 26)において、FDG-PETの有用性を検討するための前向きコホート研究。LVVのうち、67.7%がPETで異常所見ありと判定された。PETVAS>20をcut offとした場合、LVV活動性についての感度68%, 特異度71%であった。また臨床的に寛解にある患者のうち、PETVAS>20の群で再発率55%(PETVAS<20, 11%)と高かったため、寛解時の再発予測に役立つ指標となる可能性がある。

ひとこと:GCAのGWASとしては、HLA-DR, DQ, PTPN22, IL-17Aなどが知られていますが、最近plasminogen(PLG), P4HA2が新たに報告されています(Carmona FD. Am J Hum Genet. 2017, 100:64-74.)。血管のリモデリングや血管新生に関わる遺伝子であり、CRPでフォローしきれない血管局所の病態があるのかもしれません。

2018年2月5日 

Wechsler ME, et al. Mepolizumab or placebo for eosinophilic granulomatosis with polyangiitis.
N Eng J Med. 2017. May 18; 376(20):1921-32

P: 最低4週間の治療を行ったが治療抵抗性・再発のEGPA
I: mepolizumab 300mg s.c. 4週おき
C: プラセボ
O: 寛解までに要した週数、36, 48週後の寛解率

Mepolizumab 68例、プラセボ68例との比較。Mepolizumab群のほうが、24週までの累積寛解率は28%(vs 3%)と高く、36/48週での寛解率も32%(vs 3%)と有意に高かった。再発率(/年)はMepolizumab群 1.14, プラセボ群 2.27と有意差あり。

ひとこと:Mepolizumab群でステロイド減量が可能な点は、難治性EGPA症例で望ましい選択肢と考えます。本研究ではANCA陽性例は10%、腎炎1%、肺胞出血4%と、AAVの要素が強い症例は少なく、EGPA病態を考慮した適応については今後の課題です。

2018年1月15日

Tjarnlund A, et al. Abatacept in the treatment of adult dermatomyositis and polymyositis: a randomized, phase IIb treatment delayed-start trial. Ann Rheum Dis. 2018 Jan;77(1):55-62. doi: 10.1136/annrheumdis-2017-211751.

P: 3カ月以上PSL+MTX/AZPで治療されているにもかかわらず疾患活動性のある筋炎患者
I: ABT iv, 2週のきのloadingを1カ月行った後、monthly投与
初期から導入(A群), 3か月遅れて(B群)を設定
C: 投与前と投与後6カ月もしくは上記A群、B群間の比較
O: primary outcome IMACS improvement

Primary outcomeの達成率は42%(8/19)でした。現在第III相に進んでいますが、ABT responder症例の特徴がわかれば、より有効な選択肢になるかと思います。

2017年

2017年12月11日

Taylor PC, et al. Baricitinib versus placebo or adalimumab in rheumatoid arthritis.
N Eng J Med. 2017. Feb 16; 376:652-662.

MTX不応のRAにBaricitinib 4mg, ADA 40mg, placeboを無作為割り付け、Phase 3。12wのACR20はBaricitinibで70%, ADA 61%, プラセボ40%とbaricitinibの有効性が証明された。SDAI寛解52wもBaricitinib 23%, ADA 18%とBaricitinibで高い傾向があった。

ひとこと:BaricitinibはほかにもPsoriasis, GCAやアトピー性皮膚炎などの治験が進んでいます

2017年12月4日

Stone JH, et al. Trial of tocilizumab in giant-cell arteritis.
N Eng J Med. 2017. July 27; 377(4):317-328

巨細胞性動脈炎251例、トシリズマブ皮下注射162mg 毎週・隔週、ステロイド26/52週中止で無作為割り付け。トシリズマブ週中止群で53〜56%の寛解維持率、プラセボ群だと52週の段階で14〜18%の寛解維持率。

ひとこと:Lancet の2016年の論文(vol387, p1921)ではTCZ打っている間は高い寛解維持率(85%)ですが中止後の再燃は多いようですので、維持療法としてのTCZは必要かもしれません。

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