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疾患解説

関節リウマチの治療

関節リウマチの治療はここ10年で劇的に変化しました。従来の治療に加えて、生物学的製剤を早期より適切に用いることで、疾患の寛解(関節の痛みや腫れ、変形、機能障害がまったくみられない状態)が現実的な目標となっています。

関節リウマチの治療は関節炎を抑える薬物療法、リウマチ体操などにより関節の可動域を保つリハビリテーション、関節機能を再建するための手術療法に大きく分けられます。薬物療法には副腎皮質ホルモン、非ステロイド系抗炎症薬、抗リウマチ薬に加えて、生物学的製剤が用いられています。関節リウマチは早期に診断して早く治療を開始するほど、予後が良いことがわかってきました。できるだけ早期に関節リウマチの診断をつけたうえで、早期より適切な治療を行うことで、寛解をめざすことが推奨されております。当科でも専門家による定期的な診察と治療内容の最適化を重要視しております。

疾患修飾性抗リウマチ薬
関節リウマチの活動性を抑制し、寛解状態に導きうる薬剤であり、関節リウマチ治療における中心的薬剤です。現在ではメトトレキサート(リウマトレックス®)が第一選択薬で、関節リウマチ治療の最も中心的な薬剤と考えられております。週1-2日内服を行うのが一般的です。効果がでるまでには1-2カ月かかります。副作用については、肝障害・血液障害・胃腸障害・間質性肺炎などが比較的多く認められるので、定期的に血液検査、尿検査、レントゲン検査などにより副作用の有無をチェックする必要があります。その他にも、いくつかの抗リウマチ薬があり、1剤もしくは2-3剤を併用しつつ病状に応じて使用されます。
生物学的製剤
現在市販されている生物学的製剤には、関節に炎症をおこす物質である炎症性サイトカイン(TNF-α, インターロイキン(IL)6)の作用を阻害するものと、炎症を起こすリンパ球の機能を抑えるものがあり、メトトレキサート(リウマトレックス®)で関節炎がよくならない例、変形が進行する例にも高い有効性が期待される薬剤です。また早期から使用することにより、寛解の達成や、リウマチの治癒に至る症例もあるなど、現在の関節リウマチ診療において重要な薬剤群です。
TNF-α阻害薬にはインフリキシマブ(レミケード®)、エタネルセプト(エンブレル®)、アダリムマブ(ヒュミラ®)、ゴリムマブ(シンポニー®)、セルトリツマブペゴール(シムジア®)の5剤があります。IL-6阻害剤としてはトシリズマブ(アクテムラ®)があります。またT細胞の機能を抑える薬剤としてアバタセプト(オレンシア®)が使用可能となっております。いずれも点滴または皮下注射で投与する薬剤です。
これらの生物学的製剤は注射時の副作用や、感染症に弱くなるなどの副作用に注意する必要があり、導入前には詳しい検査が必要です。投与を始める時は短期入院をお勧めしています。
副腎皮質ホルモン(ステロイド)
関節リウマチでは、症例によっては少量のステロイド剤が用いられます。炎症を抑える作用が強く、効果も早く現れるので有用な薬剤ですが、長期連用による副作用が問題となります。ステロイドの主な副作用には、骨粗鬆症・圧迫骨折、高脂血症、糖尿病、消化性潰瘍、白内障・緑内障、感染症、副腎不全、精神障害、高血圧、月経異常、その他(中心性肥満、満月様顔貌、皮膚線条、にきび、多毛)などがあります。抗リウマチ薬が奏功すれば、徐々に減量していくことも可能です。
非ステロイド系抗炎症薬
非ステロイド系抗炎症薬 (NSAID) は関節の痛みや腫れを軽減するためにたいへん有用で、即効性があるために、頻繁に用いられますが、関節変形を抑制する効果は期待できません。副作用で最も問題になるのは消化性潰瘍(胃潰瘍や十二指腸潰瘍)です。NSAIDを内服するにあたっては、消化性潰瘍の他に腎機能、電解質や血圧、心不全に与える影響、アスピリン喘息の悪化、皮疹の出現などにも注意が必要です。近年、Cox2阻害薬(セレコキシブ(セレコックス®))という消化性潰瘍を起こしにくい新たな薬剤が使用可能となっており、選択肢が広がっております。

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