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疾患解説

アレルギー性疾患

アレルギー性疾患とは、花粉やハウスダスト、薬剤、食物など異物(アレルゲン)に対して過剰な免疫反応が生じることによって生じる病気です。代表的な例として、花粉症(アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎)、気管支喘息、薬剤アレルギー、食物アレルギーなどが挙げられます。当科では気管支喘息の他に、薬剤アレルギー、食物アレルギーに関して、原因アレルゲンの診断を行っています。

薬剤アレルギーとは、薬を使用したことにより生じるアレルギー反応のことを言います。使用した直後〜数時間以内に現れる即時型反応と、それ以外のものに分けられます。様々な症状が起こりえますが、皮膚症状(赤み、かゆみなど)を伴うことが多いです。即時型反応の中には、息がしづらくなったり血圧が下がったりする重症型があり(アナフィラキシーと言います)、その場合には迅速かつ集中的な治療が必要です。

ただし、いわゆる「薬が合わない」という表現がありますが、これは調べてみるとアレルギーではないことの方が多いです。難しい言葉で言えば、それは「薬の副作用」なのかもしれませんが、過剰な免疫反応(アレルギーの定義)が原因であることは、必ずしも多くはありません。アレルギーであるかどうかの診断は、主に皮膚テストという方法によって行われます。アレルギーと診断された場合は、原因となる薬を使用しないことが治療の原則となります。

食物アレルギーは、食物がアレルゲンとなって、その食物を摂取することにより症状が起きるものです。ほとんどの場合は即時型反応であり、皮膚症状のみの場合もあれば、重症型であるアナフィラキシーになる場合もあります。子供に多い病気ですが、成人になってから発症する場合もあり、成人でも稀な病気ではありません。成人で食物アレルギーのある人の割合は、学童期での割合と同じ程度であり、およそ1〜2%であると考えられています(食物アレルギー診療ガイドライン2012より)

血液検査により原因となる食物アレルゲンを調べる方法はありますが、必ずしも正しい結果が得られるとは限りません。皮膚テストや、実際に食物を摂取して症状が出るかをみるチャレンジテスト等を行い、それらの結果を踏まえて総合的に診断することが望ましいです。原因食材を特定することは必ずしも簡単ではありませんが、出来るだけ正確に診断をして、アレルゲンの摂取を避けるようにするのが治療の原則となります。

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