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疾患解説

シェーグレン症候群

シェーグレン症候群は涙や唾液の分泌低下により出現する乾燥症状を特徴とする原因不明の全身性自己免疫疾患のひとつです。女性に圧倒的に多く、発症年齢は主に40〜60歳台です。日本での頻度は10万人あたり15人と報告されていますが、実際にはもっと多い可能性があります。“目がゴロゴロする”、“口が渇く”、などの眼や口腔の乾燥症状が病気を疑うときのヒントです。いわゆるドライアイ、ドライマウスの症状です。関節痛や疲れやすさを訴える方もいます。しばしば他のリウマチ性疾患(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症など)に合併して起こることもこの病気の特徴です。

診断、治療にあたっては、内科、眼科、耳鼻咽喉科、歯科、放射線科等複数の診療科の協力が必要となります。2012年に国際的な分類基準が改定され、診断においては自己抗体(リウマトイド因子, SS-A抗体, SS-B抗体)の出現、眼科的所見、唾液腺生検の結果が重視される方向になっております。治療は乾燥症状に対する対症療法(人工涙液、人工唾液など)が中心です。唾液分泌を促すムスカリン受容体作動薬も使用可能です。腎、肺、甲状腺、リンパ節、肝、膵、神経系など様々な臓器の障害を起こすこともあり、まれにステロイド薬の全身投与が必要となることがあります。

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