疾患解説
大動脈炎症候群(高安動脈炎)
大動脈やそこから分かれている大きめの動脈に炎症を生じ、血管が細くなったり、閉塞したりします。15〜35歳の女性に発症することが多いのですが、中には長年診断がつかず見過ごされていた方もいます。
症状は
- 全身症状:発熱、全身倦怠感、体重減少、関節痛、筋肉痛
- 狭窄・閉塞部位に応じて
- 頚動脈など:めまい、立ちくらみ、頭痛
- 鎖骨下動脈など:腕が疲れやすい、脈が触れない、血圧の左右差
- 腎動脈:高血圧、腎不全
- 大動脈弁:心雑音、心不全
血管の狭窄の診断には、造影CT、MRIを用いた血管撮影(MRアンギオ)が有用で、三次元CTも活用されます。更に、造影MRIやPET検査により炎症の強さを評価することが可能です。
治療にはプレドニゾロン30〜40mg程度のステロイドが有効です。炎症が強くてステロイドが減らしにくい場合に免疫抑制薬を併用することがあります。