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疾患解説

結節性多発動脈炎

全身の中くらいから細いレベルの動脈に炎症をきたす疾患です。好発年齢は60歳以上で、やや男性に多い傾向です。

病変の主体によって

と区分します。

古典的多発動脈炎にはB型肝炎ウイルスのキャリアの状態から発症する場合があります。顕微鏡的多発動脈炎では、P-ANCA (MPO-ANCA)という自己抗体が陽性の方が多く、病態と関連していると考えられています。

全身症状が強く、高熱、体重減少、関節痛、筋肉痛、貧血が多く見られます。全身の様々な部位の動脈が冒され得るため、以下のような多彩かつ重篤な症状を呈することがあります。

中型動脈の炎症性変化の診断には血管造影が有用です。顕微鏡的多発動脈炎では急速に進行する腎炎を呈することがあり、腎生検が確定診断につながります。腎生検は当科所属の専門医が施行いたします。

末梢神経の症状も多く、多発性単神経炎は代表的な病態です。左右非対称に手足のしびれ、感覚障害、運動障害を呈します。神経伝達速度や筋電図を測ったり、機能に影響しない感覚神経(腓腹神経)を生検して調べることが有用です。神経を栄養する動脈の血管炎が検出可能です。多発性単神経炎は他のANCA関連血管炎でも高頻度に見られます。

治療には高用量のステロイドと免疫抑制薬のシクロホスファミドをうまく併用することが必要です。ともにパルス療法として用いる工夫もあります。適応取得に伴いリツキシマブの使用も可能となっております。

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